高校野球の球数制限が注目を集めています。昨年12月に新潟県高野連が今春の県大会で「一人100球」の制限を導入することを発表しました。
しかし日本高野連がこれに難色を示し、新潟県高野連に再考を求めました。同時に、専門家を含めた有識者会議を創設して、球数制限について今後検討していくとしています。
結局のところ導入は先送りになった形です。
実施されれば高校野球では初めての試みでした。実現はしなかったものの、新潟県高野連の動きが高校野球界に一石を投じたことは確かです。
そもそもこの球数制限とは、試合での一人の投手の投球数を制限し、肩や肘への負担を軽減する狙いがあります。
昨今では、スポーツ庁をはじめ国や社会全体がアスリートの子供たちのけが予防を重要視する傾向にあります。
しかし、高校野球ではなかなか議論が前に進んでいないのが現状です。
甲子園のマウンドで一人投げ続ける投手にスポットを当てるなど、マスコミがこうした選手をヒーロー的に扱う風潮も影響しているといわれています。
国民的なスポーツとして高い人気を誇る高校野球だからこそ、商業的な部分も絡んでいるという指摘もあります。
プロ野球選手や日本人メジャーリーガーからも、高校野球などで球数制限の導入やルール化を求める声が上がっています。
「野球は9回」
「スリーアウトでチェンジ」これはだれでも知っている野球のルールです。
選手のけが予防の一つのファクターとして、球数制限もこうした当たり前のルールという認識がなされる時代がくれば、現在よりも故障を抑制できるかもしれません。