岡本和真選手は智弁学園高校から読売巨人軍にドラフト1位で入団した、若きスラッガーです。どっしりとした体躯と構えから、振り抜いてスタンドに届く一打を放つだけではなく、広角に打ち返す器用さも兼ね備えた選手です。守っては一塁、三塁の内野だけでなく左翼も守り、守備での貢献度も高い岡本和真選手ですが、何より彼の特徴と言えるポイントと言えるのが、松井秀喜選手以来となる読売巨人軍の生え抜き高卒4番定着という肩書きです。
岡本和真選手も最初から活躍していたわけではありません。入団2年目までは2軍で主にプレーし、プロのレベルについていくことで精いっぱいという打撃や守備を見せていました。しかしプロ3年目のシーズン、1軍の三塁手だった村田修一選手が退団すると、岡本和真選手は1軍で固定されるようになります。初めは三塁の守備や、試行錯誤中の打撃にもファンや解説者から厳しい意見は多かったようです。4番を任されることも多かったプレッシャーの中でしたが、シーズンを終えてみれば33本塁打を放ち、高卒3年目の22歳としては破格の打撃成績を残したのです。
そんな岡本和真選手の魅力は何と言ってもボールを遠くまで飛ばす力ですが、それを可能にしているのがボールをしっかりとバットで捉える力です。なぜそんなにボールを正確にミートできるのか、という秘密はミートの瞬間まで頭が全く動かないバッティングフォームにあります。どっしりと構え、上半身は微動だにしないという、バッティングの理想とも言える形が、岡本和真選手の規格外な打撃を可能にしているのです。また、自分には必要のないものを、それがアドバイスであっても聞き流せる力が岡本和真選手にはあります。体躯も精神もどっしりと構えてこそ、読売巨人軍の4番と言えるでしょう。