毎年のように注目されるのが、日本人選手のメジャー挑戦です。2018年のメジャーリーグで大きな話題を集めたのが、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平でした。極めて珍しい投手と打者を兼務する二刀流というスタイル、ルックスも良いイケメン選手と契約を結ぼうとニューヨーク・ヤンキースなど、複数の有力球団が血眼になりました。大谷は、周囲の注目をよそ目にピッチャーとしてはエース級、打者としては主砲に匹敵する結果をだすなど、目のこえたアメリカ人すらもうならせる活躍が日米を駆け巡ったのです。
日本人選手にとってメジャーは、夢であると同時に実現可能な目標となりました。このような流れを作った人物は、やはり野茂英雄でしょう。所属球団の近鉄バッファローズ(当時)と対立し、新天地を求めるように1995年にロサンゼル・ドジャースへ移籍、体を捻る独特のトルネード投法と落差の大きいフォークボールを引っさげ大活躍しました。このニュースに日本中が熱狂、球団とのトラブルに際して野茂を批判していたメディアも英雄扱いするなど、実力をもって悪評を返上したのです。かつて野茂英雄に憧れを抱いた少年たちが成長し、メジャーという大舞台を最終目標に活躍するまでになったのです。