当時巨人の監督であった長嶋監督が言った。「国民的行事」
1994年、プロ野球セントラルリーグの優勝チームは最後の最後まで分かりませんでした。同じ勝率で2チームが並んでいたからです。129試合を終えて、巨人の69勝60敗、中日69勝60敗、両チームが同率で首位だったのです。何のことはない130試合目の最終試合で勝ったほうが優勝という、最終戦同率対決だったのです。これはプロ野球歴上初めてのことだったのです。
最終戦の先発ピッチャーは中日今中、巨人槙原。2回に落合の一発で先制、中日もそのウラに同点に追いつく展開。巨人は斉藤にピッチャーをスイッチし、その間3、4、5回に追加得点し6-2とします。中日も6回に1点を取りましたが、ピッチャーを桑田に代えて押さえ込み、6-3で巨人の勝利。セリーグペナントレースを制しました。
当時巨人の3本柱と呼ばれたエース級のピッチャーをすべて注ぎ込み、スタンドにいたファンは熱狂。中日も左のエースの今中が投げるという滅多に見られない試合でした。
また落合のホームラン、松井のホームランなども飛び出しましたからプロ野球ファンは「こんな試合は見たことがない」という感慨を持ちました。テレビの視聴率にも表れ、48.8%という歴代最高視聴率を叩き出したほどです。この試合のことを、プロ野球ファンは口をそろえて歴史上最高の試合だったと言います。
17年ぶりの胴上げで宙に舞う長嶋監督。涙を流す、落合選手、桑田投手、槙原投手、原選手・・・皆が泣いていたといいます。この余勢をもって望んだ西武との日本シリーズも制し、再び巨人ファンを狂喜乱舞させました!30歳以上のプロ野球ファンには、忘れられない試合でしょう。